簿記の"知識"を、年収アップに活かそう

日商簿記を取得すると、それだけ高い収入が期待できる、とはなかなか言えないようです。
経理職などで一般企業に勤める場合には、資格取得後の収入はその企業の給与規定によります。 通常の経理職であれば、年収も、その人が勤める会社全体のだいたい平均ぐらいの金額になるはずです。
また簿記検定2級以上の有資格者には、月3000円~5000円ほどの資格手当を支給している会社もあるようです。 簿記の資格があることによる直接的な収入の見返りは、おおよそその程度だと思っていた方がよいでしょう。

このことは簿記の資格にかぎりませんが、いまは資格があればそれだけですぐに収入につながる時代ではありません。 たとえ超難関資格といわれる弁護士さん(司法試験)でも、資格だけで食べることはできません。 これは独立開業者の話になりますが、食べていくためには営業が大切なのです。

それでは簿記の資格や知識は収入アップにはつながらないのでしょうか?
私は、決してそんなことはないと思っています。

ひとつの会社に長く勤めさえしていれば、黙っていてもだんだん給料がアップした年功序列の時代は終わりました。 いまはどんな職業にも、「実力主義」や「成果主義」が当てはまります。 仕事ができて業績を出せる人なら、年齢や経験年数には関係なく、高い収入を得ることができるのです。

「業績を出す」というのは、多くの仕事の場合、会社に対して「儲け」を出すことです。 そして儲けを出すことは、決して「商品をたくさん売ること」ばかりではありません。 「仕入れのコストを可能なだけ抑える」ことも、立派な儲けにつながります。

つまり会社への利益貢献は、なにも顧客との接点を持つ営業さんだけの話ではないということです。 工場などメーカーで働く技術者も、生産性を高めることで、会社に儲けを出すことができます。 また、会社のお金の流れをすべて把握している経理スタッフが、社内へ向けて、お金の遣い方の改善をアナウンスすることも、利益貢献でしょう。

これらのどの立場の人にも共通して当てはまるのは、簿記の知識を持っていると、それだけコスト意識を高く持って仕事ができるということです。 そのように、自分の会社にプラスの提案や働きかけができる人は、役職の階段を上るのも早いものです。 そのことにより年収も確実にアップします。

「簿記の資格を年収アップにつなげる」という発想ではなく、 「簿記の知識を年収アップに活かす」という考え方ができるようになると、 簿記の資格を取る前から、なんだかワクワクしてくるのではないでしょうか。
そういう前向きな気持を持つことが大事だと思うのです。